−お知らせ−
このお話は史実に基づくものではなく、単なる妄想です。
一部に実在した人物・団体・物体・出来事・地名・思想・制度なども登場していますが、その行動や性格設定・実態・本質及び情景etcは、全て「でっちあげ」です。
それを承知の上、多少のことは目をつぶり、遊び心で読んでみようという方のみ、下へお進み下さい。




-黒髪の伯爵夫人-


ほどよく晴れた日の昼下がり、アントワネットはサン・クルー宮殿で行われているインド大使を招いての歓迎会に満足げな様子で出席していた。

この宮殿はつい先日まではオルレアン公が所有していたのだが、ルイ十六世の取り計らいでアントワネットに譲られる事になったのだ。

眺めの良い庭園を持つこの宮殿を手に入れた彼女は、女主として誇らしげに顔を上げ、訪れた人々に対して微笑みを絶やす事はなかった。


すっかり気むずかし屋になった内親王のマリー・テレーズと、ようやく長い間の風邪引きが治った王太子のジョゼフも、この日は陽気に誘われて大はしゃぎをしている。


インド大使は宮殿のすばらしさと王妃の美しさを誉め讃え、国王の好きな航海術の話に花を咲かせていた。


その陰でプロヴァンス伯は「王はへなちょこ航海士」とあざ笑い、宮殿の前の持ち主であるオルレアン公は「一体、いくつの城を自分の物にしたら気が済むのだ」とアントワネットに厳しい視線を投げかけていた。

確か去年、国王が購入したパリ郊外のランブイエ城も、今ではアントワネットの意のままに増築が進んでいるという。
もちろん、このネタはさっそくパレ・ロワイアルからまもなく批判のビラとしてばらまく予定であるのだが。



二人の叔母たちは「ベルサイユ宮殿の改造も全然進まないのに、新しい城まで手に入れていい気なものね」と鼻息も荒い。

オーストリアから来た世間知らずのわがまま女が、好き勝手に振る舞っていると思うだけでいまいましい。
聞くとアントワネットは、宮殿の床板や壁紙一つ取っても、気に入らなければ貼ったばかりの物でも惜しげなくはぎ取らせ、違うものに貼り替えたりしている。
おかげで工事が進まないので職人たちはやる気が失せ、いかにもうんざりした様子で宮殿に出入りしている。


「気ままが出来るのも今のうち。いつかひどい目に遭うにちがいないわ」
叔母たちは予言にも似た負け惜しみをつぶやいていた。



ところでこの頃、オスカルは忙しかった。

インド大使の歓迎会の警備だけではなく、時には近衛隊に興味を持っている大使の話に参加するようアントワネットに呼ばれていた。

どうやら堅い話の時はオスカルを呼べばうまく行くと思われているらしく、このような場面では王妃自身、どうでもいいので早く話が終わらないかと退屈そうにしている。


オスカルが必要なのはそれだけではない。

ベルサイユ宮殿の改造で、新しく作る秘密の通路の場所を確認したり、出入りの職人に怪しい者がいないかどうか念のため調べたり、なかなか気が抜けない。

階段や通路の幅ひとつとっても、ドレスを着た貴婦人が通りやすいかどうか、仕上げはどうするかなどと、アントワネットの希望はなかなか難しく、女ならではのとりとめのない雑談を交えての話は、供に付いているだけで一日などすぐに過ぎていく。


特に王妃の根気と集中力は驚くほど持続し、なかなか疲れを見せない。
取り巻きの友人やポリニャック夫人がすっかりくたびれてあくびを押し殺していても、アントワネットは元気そのものである。

さすがに偉大な女帝の血を受け継いだのか、王妃としての素質はこういう所に見て取れる。



オスカルは他の臣下が普段は入れない部屋を模様替えする場合はアントワネットに警護で付いて廻るので、長い時間を取られ、ジャルジェ家の屋敷でくつろぐこともほとんど無い状態になっていた。


又、プチ・トリアノンの庭園を改造しているアントワネットは、夜間に供もつけずに外へ飛び出し、できあがっていく庭の様子を見るためにぶらぶらと散歩をすることがある。

オスカルは無防備なアントワネットに気を遣い、できるだけ見つからないようにひっそりと、夜間にアンドレを伴っての見回りも怠らない。


そのようにして、何かとオスカルが気も抜けない状態である事はアンドレが一番理解している。
フェルゼンの留守中に何かあってはいけないと彼女はいつもより慎重になっているのだろう。

こう言う時こそかえってのんびり大らかに振る舞っている彼だが、いつもより気持ちがオスカルに向いてしまうのは仕方がない。

大騒ぎが好きなばあやも同じようなものだし、ジャルジェ将軍もオスカルの多忙は我が一族のために良い事だと言いつつ、一人前の彼女を突き放しているようで実は気をつけて様子を見ている。



そのため、ロザリーの元にぽろりとやって来た手紙の事など、誰も気に留める事はなかった。


『貴女は私の妹に間違いないと思います。一度お会いしたいのですが時間をいただけますか』
短い文面ながらていねいな文字で綴ってある。



普段ならオスカルも、もっと慎重に聞いていただろう。

聞けばその人物はラ・モット伯爵夫人と言うらしいが、確か以前、エリザベート内親王の前で失神したというどこかうさんくさい相手だ。

だが、自分が直接会う都合は取れない。仕方なく、ジャルジェ家に招く形なら問題はないと判断し、アンドレやばあやに後を任せて、その日もあわただしく朝からベルサイユ宮殿へと出仕していった。




**********




数日後、その貴婦人は立派な馬車でジャルジェの正門からやって来て、礼儀正しい様子で降り立つと玄関の前に進み出た。

黒髪が美しい貴婦人で、目の輝きが人に強い印象を与えている。


彼女は濃い紫のドレスをまとい、鮮やかな青いリボンで強調された豊満な胸がくっきりと深い谷間を見せていた。

濡れたようにつややかな黒い髪、人を引き込むようなまなざし、そして優雅に動く白い手が妙になまめかしく、出迎えたアンドレは一瞬、体が勝手にびくりと反応したほどだ。

だが、決してアンドレが下心を持っていたわけでも、婦人が品のない態度を取っていたわけではない。
女性としての魅力が彼女からいやおうなく外へ外へとにじみ出ていただけなのだ。


アンドレはすぐに気持ちを切り替え、丁重に夫人を天井の高い居間へ通した。

ほどなくロザリーがやって来て、二人はまず軽く会釈をし、互いの姿を確認するかのように見つめ合った。

アンドレは席をはずそうとしたが、貴婦人は「出来れば話を聞いて頂きたいので、どうぞそのまま」と、彼を引き留めた。

どちらかというと、話の内容よりは、自分が怪しい者ではないと言いたげな様子をしている。



「間違いないわ、ロザリーですね。私は貴女の姉です」
黒髪の貴婦人はそう言うなり、目に涙を浮かべた。

彼女はジャンヌ・バロア・ラ・モット伯爵夫人と名乗り、パリのヌーブ・サン・ジュル街に住んでいると言う。夫は竜騎兵連隊の大尉を務めており、今年5才になる双子の母親だという。


その他にもジャンヌは色々な事を語った。

妻を亡くしたヴァロア家の当主ジャック・サンレミーが、寂しさを紛らわせるために手をつけた召使いが自分の母親なのだと言う。

その後にロザリーの母親が嫁いできたのだが、すぐに持参金目当ての結婚である事を知り、夫との仲が急速に冷えていった。

やがて借金がかさみ、普段の素行も乱暴だったジャックは没落した後すぐに亡くなり、誰からも見向きをされなくなった家族は、突然ばらばらになってしまったらしい。



ジャンヌは母親と二人でパリ郊外の村に住み着いたが、間もなく母が亡くなり、身寄りが無い彼女はしばらく物乞いをしていたと言う。

そのうち素性が明らかになった事で、パリの市長をしていたブランヴィリエ侯爵、正確には憐れみをかけた侯爵夫人に引き取られ、ようやく貴族として育てられて今に至ったのだと、語るほうも、そして聞くロザリーも涙にくれるほどの苦労談が次々と明らかになってきた。


又、ロザリーが生まれたのが嬉しくて、洗礼を受ける時に教会へ付いて行った事も覚えており、過去の記憶は一致している。



「折に触れて何度か貴女を捜したのだけれど、どうしてもわからなくて、以前に住んでいた所の家主さんを探し当ててようやく聞き出したのです」

ロザリーの母も同じ頃、実家が投機に失敗して没落し、帰る場所がなくなってパリの下町で細々と暮らす事になったのだろうと言う。

愛想を尽かした夫の死後、二度と結婚もせず、ロザリーに対しても過去の事を語らなかった母親には、何か思うところが有ったのだろうが、今となっては何もわからない。


ただ、こうして血のつながった姉がいた事だけが、ロザリーにとって大きな喜びであった。




**********




「どんな様子だったんだ」
夜になって帰ってきたオスカルは、さっそくジャンヌのことが気になったらしい。


「いや、なんて言うか、普通のご婦人だったよ。人当たりもいいし、苦労しているわりには若く見えるし」
アンドレはこれと言ってジャンヌに怪しいところはなかったと感じていた。


年は二十代中頃と思っていたが、実際は今年で28才と言うので、ロザリーとは6才ほど離れている。

それを思えばロザリーも早く結婚相手を探さねばいけない年だが、ずっと母親の看病をしていたのでそれどころではなかった。
元々奥手な性格な上、見た目が幼く見えるせいか、本人も周囲もさほど焦っていない。


アンドレはいつかベルナールがさっそうと彼女をさらいに来るだろうと安易に構え、オスカルも又、ジャルジェ家で引き取った以上はずっと面倒を見ようと考えているので、おいそれと手放す気もない。



「ふむ、そうか。ならいいのだが、今後も何か変な動きがあったら知らせてくれ」
オスカルはどこかしっくり来ないのは、自分の中で妙な勘が働いたせいと知りつつ、アンドレにそれとなく含んでおいた。


「わかってるよ、明日、新しい蹄鉄を取りにパリへ行く用事がある。午後には調べに入る予定だ。向こうに行けば色んな情報が落ちてるさ」
アンドレも心得たもので、オスカルの心配は手に取るようにわかっていた。

彼もゾクッとするようなジャンヌの魅力に、どことなく危険な匂いを感じ取っていたのである。




**********




後日、ロザリーはひょんなきっかけでジャンヌと二人きりで会うことになった。

これからは仲良くしましょうねと言われていたのだが、少し警戒心のあるアンドレたちがいつもさりげなく付き添い、対面してから今まで、決して二人だけで会う事はなかったのだ。


この日はたまたまパレ・ロワイアルに買い物に来ていたロザリーがジャンヌに声をかけられたのである。


「おいしいお茶のお店があるのでご一緒しましょう」とジャンヌに誘われ、ロザリーは「少しの間だけですから」と花屋のモーリスにちゃんと断りを入れて出かけて行った。



お茶を飲みながらジャンヌは、ロザリーに色々と日々の生活の事を聞いた。

特にロザリーがベルサイユ宮殿での体験を話した時、自分は以前から宮廷に上がってはいるものの、なかなかアントワネットの目に止まらないと残念そうにしていた。

だがインテリアや装飾品に興味があるので、是非ベルサイユ宮殿の王妃の居間やプチ・トリアノンについて色々な事を教えて欲しいとせがむ。


「王妃様はお花のモチーフが大好きで、すみれ色の壁掛けがとても美しいんです」
ロザリーは今思い返しても素晴らしい調度品や、アントワネットの優雅な様を思い出してうっとりしていた。


「プチ・トリアノンに置いてある家具はどれもみな王妃様が素材からお選びになった物で、張り地の花柄がとても上品なデザインなの」
離宮に招待された時、極度に緊張していたわりには、後になれば色々なことを彼女は思い出していた。



「ところで…、ねえ、ロザリー。あなたは下町で育ったのよね。よければ、二人で話す時は堅苦しい言葉は抜きにしないこと?何だか今のままだとあたしはとっても窮屈で…」
ジャンヌの提案はロザリーにとって一気に姉妹の距離を近づけるものだった。


どちらかというと今でも「私」ではなく「あたし」と、思わず口から出てきそうになる。
出来れば気を遣わない庶民的なしゃべり方の方が楽なのだ。



「えっ、ああ…、じゃあ、ジャンヌ姉さん…」

「ほら来た、その調子よ。ロザリー」
二人は目を合わせて笑った。


貴族の暮らしは優雅で楽しい。だけど本音がどこにあるのかわからず、気さくに相手としゃべる事が出来ない。そもそも二人は子供時代を庶民として暮らしたのだ。余計にそう感じても仕方がない。


二人にとっての「普通」は貴族ではなく、生活感あふれる庶民の暮らしだったのだから。



「ほらほら、あそこを歩いているオヤジ、でっぷり太って一歩歩くたびにドンデン!ドンデン!って音が聞こえてきそうじゃない」
ジャンヌはロザリーの耳元でひそひそとささやいた。


「あはは。姉さんったら、面白すぎ」
ロザリーは久しぶりに心の底から笑った。


通りがかりのふとっちょのおじさんには悪いが、ジャンヌのいたずらっぽいものの言い方が面白くてたまらないのだ。

もし、子供の頃からこのような愉快で楽天的な姉と暮らせたら、さぞ心強くて楽しかった事だろうと彼女は思う。


それにジャンヌ自身も強引な性格ではないらしく、ロザリーを無理矢理誘うこともなかったし、あくまで時間が空いた時におしゃべりしましょうと、お互いにほどよく距離を保っていた。




**********




アンドレは時間をかけてパリを廻って情報を集めたのだが、オスカルの思惑とは反対に、ラ・モット伯爵夫人に関する怪しい話出てこなかった。

ジャンヌと会っているロザリーの話を聞いても不審な点はない。

姉妹はいたって普通に雑談するだけの事で、二人が会った後、ロザリーはいつも「楽しくてお腹の皮がよじれそうでした」と言って帰ってくる。


ジャンヌは知り合いが多く、顔が広いらしいといううわさはあるが、実はごく親しい友人はいないのか、込み入った話は聞こえてこない。

何でも、ジャンヌは名門貴族であるローアン枢機卿の愛人だとか、夫のラ・モット伯爵は女好きでパレ・ロワイアルの娼館に入り浸っているとか、本当かどうかわからない話ばかりだった。

だが資産は多いのか羽振りが良いらしく、パリでは立派な屋敷に住み、しょっちゅう盛大な舞踏会などを開いていると言う。


とにかく金目当てでロザリーに付け入ったのではないらしく、ロザリーも又、会うと楽しくて面白い姉ですと笑っている。

余計な心配はいらない、どうやら思い過ごしだったのかも知れないと、アンドレはベルサイユ宮殿から帰ってきたオスカルに事の次第を知らせた。




しかし今日のオスカルはそれどころではなかった。


「私にはわからない、アントワネット様のお心が」
オスカルはこの日ばかりは真顔になってあきれていた。


先日、あれほど進言したにもかかわらず、その後、オスカルが知らぬ間にアントワネットはパリで「フィガロの結婚」を上演することを認めるよう、国王を説得したのだという。

それもごく内密に事を運び、誰の妨害も入らないように直前になっておおやけになったという。


リアンクール公の使いがジャルジェ家にやって来て、わざわざこのことをオスカルたちに伝えたのは、彼なりに考えが有ってのことだろう。


いつものことではあるが、最後の決定は国王ではなくアントワネットの意志にかかってくる。

国王が王室の威信にかけて禁止したものを、王妃が取り下げさせたとあっては、国王の顔に泥を塗るのと同じである。

それに劇作家のボーマルシェがその文才を利用して、陰ではアントワネット批判のパンフレットの原稿を書いているという話はほぼ間違いないと聞く。

言ってみれば、敵の作ったものを誉め讃え、反対に自分の評判をますます下げているのと同じだ。


リアンクール公の嘆きのため息が聞こえてきそうだった。



「私はどうやら古い型の人間らしい」
ジャルジェ将軍も世の中が急速に変わっていっていくことに改めて驚きを感じたのか、そう言って黙り込んだ。

実直な将軍に、それ以上の王室批判など出来るはずがない。



オスカルにしてもあれほど覚悟を決め、アントワネットに事の重大さを訴えたつもりが、全く理解されていなかった。

多分、王妃は彼女の苦言を聞き流してしまったのか、あるいは真剣に聞いていなかったのか、いずれかだろう。

王妃の心がわからないと言いつつ、オスカルにはアントワネットによるいつもながらの軽率な判断が手に取るようにわかっていた。


いずれにしてもオスカルの想いもむなしく、4月にパリのコメディー・フランセーズにて「フィガロの結婚」は上演された。

実のところこの喜劇は予想以上に熱狂を持って受け入れられ、一部の人々の憂慮を吹き飛ばして盛況のうちに幕を閉じた。

特にオスカルが心配していたような、この劇のせいでアントワネットに対する批判などは起こらず、「フィガロ」のために今すぐ何かが変わったわけでもない。



だが相変わらず民衆は貴族に対し、平気で批判を繰り返す。
貴族は貴族を皮肉る劇を受け入れ、ただ享楽ばかりを追いかけている。

国にとって重要な役職から平民を閉め出し、高い地位を貴族が独占したのはついこの間の事だ。

劇で批判の的になっている横暴な貴族そのままに、彼らは悪者である自分を棚に上げ、民衆が勝利する演劇を賛美している。



「何かがおかしい。何だか世の中の平和が、薄皮一枚でようやく首がつながっているような変な感じだ。父上ではないが確かに私も古い型の人間なのかも知れないと思えてしまう」
オスカルは浮ついた世の中が不気味にすら感じられて仕方がない。


「みんなただ浮かれている訳じゃないんだろう、きっと。心に多くの不安や葛藤があっても人はそう簡単に顔には出さないし、時には本人も自分の不満の原因に気が付いていないかも知れない。だけとため込んだ不満を何かの形で吐き出さなきゃ、やってられないだけなんじゃないのかな」

アンドレはぼんやりしているようで時々、世慣れた事を言う。


「時にはわかったような口をきくんだな。誰の入れ知恵なんだ」
彼はオスカルの知らないところで何かを見、何かを感じ、人間的に成長している。
彼女はそんなアンドレを頼もしいと思い、反面、対抗心も湧く。



彼にすれば自らの心情そのままを言ったに過ぎず、その気持ちを遠回しにオスカルに訴える気持ちがないわけではないのだが…。



「パリの天使に聞いたんだよ」
アンドレは笑った。


「じゃあ、天使の話を聞かせて頂こうかな」
オスカルは暖炉の前の安楽イスに陣取り、腕を組んだ。


アンドレは「はいはい」と答えながら暖炉に薪を追加した。



「フォーブル・サンタントワーヌの蹄鉄職人の工房にジャンという…」
彼は先日パリでの出来事を話すことにした。

まだまだ夜は長い。


ジャルジェ家の中庭の木に新芽が芽吹き、空が高くなる季節がすぐそこまでやって来ていた。




2005/10/26



up2005/11/24


戻る