−お知らせ−

このお話は史実に基づくものではなく、単なる妄想です。
一部に実在した人物・団体・物体・出来事・地名・思想・制度なども登場していますが、その行動や性格設定・実態・本質及び情景etcは、全て「でっちあげ」です。
又、内容も原作から大きく外れている場合も大いにあり、予測なしにオリジナルキャラクターも登場します。
まれに、現在は控えるべき表現も出てきますが、あくまで場面を描写するためにやむなく使用しています。
気になる誤字脱字誤用も当然、存在します。


特に、オスカル様はバスティーユでかっこよく散るに決まっている!原作と同じ展開で、行動も原作通りのオスカル様じゃなきゃダメ!と言う方にはお勧めできない内容になっています。

それを承知の上、多少のことは目をつぶり、遊び心で読んでみようという方のみ、下へお進み下さい。


-混乱・前編-



七月十三日。

パリの混乱は相変わらず続いていた。

人々は興奮し、神経はぴりぴりと張り詰めている。

国王軍の指揮官ブザンヴァルは指示系統が乱れることを恐れて軍隊をやむを得ずシャン・ド・マルスに集結させたのだが、皮肉にもこの動きを見た民衆は軍隊が間もなく自分たちに総攻撃を仕掛けてくると思いこみ、デマが乱れ飛んだ。

この時、宮廷もあえて三万人の兵を動かそうとはせず、ただパリの様子を伺っている。


パリ市庁内に本部を設けていた選挙人たちは、市の役人たちを含めて委員会を設立し、治安維持のために結成した約五万人の市民軍をついに発動させることにした。

身元のはっきりした市民が武装することによって統制を保ち、国王の軍隊に対抗するためだけではなく、群衆が勝手に行動を起こさないように規制しようと考えたのだ。

主にブルジョア層で構成された委員会は、市民軍を指揮することでこれを機にパリの指導権を握ろうとしていたのである。

まず彼らは軍隊が攻めてくることを想定し、市内のあちらこちらでバリケードを作るように市民に指示し、それを受けて人々は戦闘準備に追われた。

又、選挙人らはすぐにフランス衛兵隊にも援助を依頼し、かねてより市民側に同調してた兵士たちが大量に市民側に寝返った。


だが、現時点で民衆側の指揮官である委員会がパリ市庁舎でこれからの作戦を練っている間も、民衆はじっとしては居られなかった。

市民軍そのものには武装の準備がない、戦うにしても武器も弾薬も数が足りない。

それを知っているのは指揮を執る委員会だけではない。一番恐怖を感じていたのは何の力もない民衆たちだった。

彼らの不安や焦りがパリ中に伝染し、大きなうねりとなって人々を戦いに駆り立てていたのである。


いたるところで武器を奪うために貴族の屋敷に押しかける一群が走り回り、鍛冶屋からは武器を鍛える音が鳴りやまない。




**********




オスカル率いる衛兵隊がパリに到着した時、町はすでに無秩序な状態になっていた。

ちょうどその時、パリ西部のルイ十五世広場ではデモ隊を組んだ群衆がまもなく市内を練り歩く予定で待機していたのだが、彼らを今まさに国王軍の騎馬隊が襲撃しようとしているところだった。

集まった人々を蹴散らそうとする騎馬隊は、粗末な武器しか持っていない彼らに対し無慈悲に襲いかかり、馬で踏みつけようが気にも留めない。


「我々は騎馬隊の脇から奇襲攻撃を仕掛ける。みんな、行くぞ」
オスカルは全く戸惑う様子も見せず、市民側の援護に向かった。


広場では人々が悲鳴を上げて逃げまどい大混乱が起きていた。

フランス衛兵隊が援軍として駆け付けたことにもすぐには気付かず、かえって敵の援軍が来たのと思い違いをして叫び声を上げはじめる。
足がもつれて倒れる者や、親とはぐれて泣き出す子供の声が響き渡り、さらに混乱を招きかねない。

事態の収拾は急を要した。



「引け、引けっ」
オスカルは大声を出して国王軍を牽制し、先陣を切ってすばやく隊を広場に突入させ、群衆に逃げる隙を与えた。

出鼻をくじかれた騎馬隊は隊列を乱され、群衆への攻撃を停止せざるを得ない。



「何をするのだ。衛兵隊であるならば国王陛下にたてつく者どもを蹴散らすのが任務であろう。私の妨害をするとは一体何を考えているのだ」
突然現れたオスカルたちに、指揮官は怒りに顔をゆがませて怒鳴った。


「ランベスク公爵、パリ市民は軍隊による威圧に恐怖を覚え追いつめられているだけです。軍隊が彼らを刺激することは火に油を注ぐだけでございますぞ」
オスカルは指揮官を知っていた。強硬な反動家で、平民など人ではないと豪語している人物として宮廷では有名なランベスク公爵である。


「何を生意気な、私の名を知るとは貴様、何者なのだ」


「オスカル・フランソワ…。地位は…」
オスカルはそう言いかけてふと言葉を切った。

今までの自分とはもう違うのだと気が付いたのだ。


「…今はもうそんなものは不要になりました。私のなすべき事は人民を守ること、ただそれだけです」


「陛下に仕えるのがお前の務めであろうが。それでも武人なのか、恥を知れ」
ランベスク公爵は吐き捨てるように言った。


「弱い民衆を一方的に攻撃することが武人であるなら、私はそのような名誉など要りませぬ」
オスカルはランベスク公をまっすぐに見据えたまま、胸に付けていた勲章をはぎ取り、地面にポトリと落とした。
それは軽い音を立てて跳ね、遠巻きに彼らの様子を見守っていた群衆のひとりが素早く駆け寄り、あっという間に拾って逃げ去る。


「お引き下さい、ランベスク公爵。私は無駄な武力は使いたくはありません」
オスカルは全くよどみなく公爵に訴えかける。


しばらくの沈黙の後、公爵は兵に指示を出し、退却を命じた。


彼にしても、王妃付きの士官として一世を風靡したオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ准将にまつわる数々の武勇伝を知らぬはずはない。

彼女とその部下の兵士たちの異様な迫力に思わず背筋が寒くなり、この場はひとまず衝突を避けて退却すべきだと決めたのだ。




**********




「ついに帰るところが無くなってしまったな」
オスカルは公爵の軍勢が去った後でアランたちを振り返った。


「こんなことになるとは、本当は思ってなかったんですがね…」
常にオスカルを見守っていたアランはあっけにとられている。


「もう諸君は私の部下でも何でもない。これからは私が指揮官面をして話すのはやめることにしよう」


「そう急に言われても、俺たちもすぐには切り替えが出来ませんよ。特に今は緊急事態でもあるし、隊長は隊長のままでいいんじゃないですか、なあみんな」

貴族である彼女がいともあっさりと民衆側に付いたことも驚きだが、緊迫した事態に全く動じないオスカルの様子にはいつもながら感心させられる。

アランの問いかけに兵士たちもそろってうなずいた。


「では…非常時であればこそ、無益な争いごとだけは避けねばならない。諸君、我々は市民の安全を第一に行動し、一方的な鎮圧に対してはこれを阻止する」
オスカルはもはや立ち止まることは出来なかった。

しかし市内の混乱に巻き込まれ、自分たちも浮き足だっては元も子もない。


そうこうしているうちに逃げまどっていた人々は再び広場に集まりはじめ、衛兵隊の寝返りを歓迎しはじめている。
いやおうなく兵士たちの士気は上がっていた。


「おうっ」
オスカルの提案に兵士らは声を高くして賛同した。
とは言え、今はとにかく現状を把握することが先決である。


「アラン、フランソワ、それとメルキオール…」
オスカルはまず小隊長のアランをはじめ、数人のグループに分けた兵士たちに市内の情報収集を頼もうとした。


「俺も行く」
志願するアンドレにオスカルは言葉を詰まらせた。本心を言えば彼にはそばにいて欲しかったのである。

アンドレにすれば他の兵士たちより特別待遇されることは、かえって自分たちのためにならないと考えたのだろう。何よりまず、楽天的な彼が危機感をあまり感じていないのは確かだ。


オスカルは返答が一呼吸遅れた。

これでも自分は指揮官なのかという自問と、そして今はこの男の妻なのだという事実。

こんな場面が予想できたのであれば、自分が彼の妻であることを早くみんなの前で告白すべきであったのかも知れない。
そうすれば少しでも心が軽くなっていたような気がする。

だが、この緊急時にそのような悠長な話を安易に切り出すきっかけはない。



「…よし、わかった。みんな気をつけて行ってくれ。少人数なので危険な場合は無理をせずに帰ってくること。合流場所はショセダンタンとする。くれぐれも市民をあおる行動は慎むように」

結局、彼女は感情を押し殺した。

少なくとも衛兵隊はパリの留守部隊が多数、市民側に寝返っている。襲われる可能性は低いだろう。




次にオスカルたちがショセダンタンにある留守部隊に到着した時には、兵士ほとんど出払っており、寝返ったかあるいはやる気もなく無気力に町を巡回しているかのいずれかで、ほとんど機能を果たしていなかった。

評判の悪い将校は逃げ出し、指揮系統はバラバラになっている。


パリ市警察が民衆の暴走を止めようとしたため、小競り合いがあちこちで起き、かえって混乱は激しくなっているという報告も届いている。

ブザンヴァル将軍の指揮する国王軍は全く機能せず、民衆は勝手に戦闘準備を整えているのが現状だ。

そんな中、彼女は自分がなすべき事が何なのかを考えねばならないのだ。

彼女らが寝返ったことは間もなく留守部隊に伝わってくるはずだ。ここにとどまっている時間はあまり無い。



「オスカル・フランソワ。ジャルジェ准将」
その時、彼女の姿を見つけたベルナールが駆け寄ってきて声を張り上げた。


「もう収拾のつく状態ではないぞ」
市民の動きを一番知っているベルナールは興奮気味だった。彼はどこからともなく手に入れたマスケット銃を握りしめている。

ただ、これは銃剣店で代金を払ったのだと言い訳しつつ、彼はかすれ声で話し始めた。


昨日のチュイルリー宮の衝突で多くの市民が傷つき、人々は怒りに燃えたのだと言う。
襲ったのはランベスク公爵で、ただそばにいた子供までが巻き添えになった。

人々もすぐに背を向けずに必死で抵抗したのだが、戦いにかけては全く比べものにならず、逃げまどう人々は将棋倒しになったり馬に踏まれたりと、一方的に倒された。

駆け付けたベルナールらは声を張り上げて抗議したのだと言う。
しかし攻撃を止めさせようとした彼も標的となり、命からがら逃げてきたらしい。


「それに昨日からバスティーユの大砲がこちらを向いているんだ。サンタントワーヌ街は大騒ぎになっている」
ベルナールは訴える。

「我々は治安維持のために派遣された。だが君たち市民に危害を加えることは決してない。秩序の回復は大切だがこの興奮状態ではそれも難しい。今、パリ市内の現状を把握するために仲間が走らせているところだ」


「現状は俺が言った通りだ。入市税取立所はまだ燃えているし、今もあちこちで火が放たれている。こうなったのも国王がパリを追いつめようとしたからだ」


「原因が一つかどうかは検証してみないと解らぬ。ただ市民と軍隊がこれ以上衝突しないよう回避する必要がある。今、どこにどのぐらいの規模で人々が動いて集まっているのか、それを私は知りたいのだ」
オスカルは興奮気味のベルナールを制した。


「パレ・ロワイアルなら今もネッケルの罷免のことでだいぶん盛り上がっていたと思うが…」
ベルナールが曖昧に答えはじめた時、様子を見に出ていた兵士たちが次々と帰ってきた。


「ランベクス公爵の軍隊はシャン・ド・マルスに一旦退却しました。ですがこれで済むとは思えません。又いずれどこかに攻撃を仕掛けると思われます」
大急ぎで帰ってきたアランが報告する。


アンドレやメルキオールたちもすぐに戻ってきて、町の至る所で火の手が上がっていることや、バスティーユ牢獄の大砲を不安そうに見つめる市民の姿がやたら目立っていたことを語った。

特にバスティーユ牢獄の大砲はサンタントワーヌ地区、そして市庁舎に向けられており、すぐにでもパリは砲弾で破壊できると言わんばかりに市民を威圧しており、人々は恐怖と怒りのため緊張感に満ちていた。

いつもはにぎやかな商店もすっかり店を閉め、武器商以外では酒屋とパン屋ぐらいしか開いていない。
僧院は襲撃に遭い、隠されていた小麦粉は広場に運ばれて市民に公平に分配されていたと言う。
囚人も解放され、ならず者も町に放たれた。


今は衛兵隊の兵士の姿を見かけても、市民は敵か味方かすぐに判断が付かないらしく、疑わしい目つきでじろじろと見るばかりで、もうこれ以上、単独行動は危険だと言う。

又、パリの留守部隊の兵士らは市民側に寝返り、委員会の指揮下、市民軍と合流してパリ市内を巡回しているらしい。


「隊長、大変です。市庁舎に群衆がなだれ込んで大騒ぎになっています」
あわてて帰ってきたのはフランソワだった。


「よし、市庁舎に向かう。全員、騎乗」
騒ぎが起これば国王の軍隊が出動する可能性がある。民衆を下手に刺激する小競り合いは避けねばならない。


「ベルナール、お前はどうする」


「俺はパレ・ロワイアルに向かう。また一段落したら君たちも来てくれ」
ベルナールはそう言い残して駆けていく。

オスカルは兵士たちを率いて市庁舎に向かった。




**********




午後になって、群衆はパリ市庁舎にも押しかけ、武器の引き渡しを要求していた。

人々は激しい勢いで銃をよこせと声を張り上げていたが、オスカルたちが警護に就いたことで大きな混乱はなく、群衆の中から代表が市庁舎に入り、市長に対して武器を差し出すように要請した。

だが一部の人々は勝手に市庁舎内を捜索して武器を探し始めており、群衆は簡単に引き下がろうとはしない。


それに対し、困惑した市長のフレッセルはとりあえず三百六十丁の銃を提供することにした。

だが、とてもそれだけでは満足な装備は期待できるはずはなく、群衆は険悪な雰囲気を露わにしたため、フレッセルは次第に恐怖を感じ始め、仕方なく廃兵院に行けば武器があると言い、この場をしのごうとした。

それを受けて群衆は悪態を付きながら、次に武器を差し出しそうなところへと流れて行ったのである。



その後、フレッセルはオスカルを引き留め、実は銃はまだまだ市庁舎に置いてあると密かに打ち明けた。

実はこの時、市長のフレッセルは便宜上、宮廷に通じており、民衆が武装することに懸念を感じていたので、武器を差し出すことを渋っていたのである。

彼はオスカルが王妃付の指揮官であったことを知っていたのだ。


「使い方も知らない奴らに武器を渡しても無駄です。それに武器はここよりも廃兵院にたくさん置いてあるが、弾薬はほとんど無い。弾薬がなければ武器が手渡っても使い物にならんのです。彼らには言ってないが弾薬は守りが強固なバスティーユにたんまりとある。どっちにしても廃兵院もバスティーユも、軍隊が守っているから市民には手渡るはずなどないはずですよ。第一あんな暴民どもに武器を渡してどうなるものでしょう。いいですか、改革は緻密な計算によって運ばれるべきです。我々も犠牲者は出したくないし、出来れば無血で事を進めたいと思っている」


押しかけた群衆に差し出した武器の中には古着を詰め込んだ箱もあり、フレッセルは冷静さを欠いた民衆へ当てつけたのだと言う。

このことを内密にしていた彼だが、王妃と縁の深いオスカルに対しては心の内を打ち明けたのである。

結局、委員会はこの騒動をきっかけにしてまずはパリ、ひいては国の主導権をも握ろうとしているのだ。


「市長。この際、はかりごとは全て裏目に出ます。それにこの騒動はただの暴動ではありません。誰も人の言うことなど聞きはしないし、今までの権力すら歯止めにはならない。もう、新しい時代は誰かが頭で考えるより前に動き始めてしまったのです」
オスカルはこの事実をまるで自分に言い聞かせるように言った。


民衆はもはや王権など恐れてはいないかのように見える。

今日、彼女はパリに来て、異常なまでの興奮状態を知ってしまった。

どう考えても目に見えない大きな力が群衆を突き動かしているようにしか思えない。



「あなたは貴族でしょう。そんな弱気なことを言ってどうするのですか」
フレッセルは口の端で笑った。

世の中、上手く渡り歩いた方が良いに決まっている、彼はそう言いたそうな面持ちだった。


「あなたが私を弱気と思うのであればそれは勝手です。ですが彼らを止めるためには市民全てを消し去らねばならないでしょう。それが出来ないのであれば混乱はこれから始まるに違いありません。人々がこれから何を怒りの対象に選ぶかは、今までにいかに何が彼らを虐げてきたかによるのです」
もちろん、市民をあざむいたフレッセルのみならず、貴族であるオスカルも危険な状態に変わりはない。


彼女はこの事態がいつ収拾するのか全くつかめず、出口のない迷路に入ったような気がしていた。


市民と言っても一枚岩ではない。

貧しさや命を落とす恐怖のために戦おうとしている者もいれば、権力を求め、明日を目指して着実に、そしてより有利に生き残ろうと画策する者もいる。

あまりにも不公平な制度を打ち破るために、人々は自由だ平等だ、そして友愛だと口々に叫び、美しい理念を追い求めているのは間違いない。

だが、いざフタを開ければそこにはやはり人間くさいドロドロした復讐劇や、醜い権力争いがあるのだ。


権力の移り変わりというものは、単純に敵と味方という簡単な図式では説明できない。

しかし自分たちはそれを傍観するのではなく、すでに巻き込まれており、異変のまっただ中にいるのだ。



彼女は奇妙な焦りを感じ、兵士を伴って市庁舎を後にした。

常に正しいもののために戦うというきれい事はこの際、不可能と思われた。
誰のために、何のために戦うのかという根本的なことが全く見えないのだ。




「市民軍と合流しますか」
アランが相談を持ちかけた。彼も少し迷っているらしい。


「彼らには彼らの考えがある」
オスカルはあえて合流せずに、単独で市内の攻防戦に加わることにした。


市長のフレッセルによれば、市民軍は市内のあらゆる場所に出払っており、すぐに召集はかけられないのだと言った。

むしろオスカルに市民軍と合流させたくない下心が見て取れた。


確かに考えようによっては、市民軍は委員会の指揮下にあり、隊を統率する者の志しは全くわからない。
むしろ合流することによって指揮系統が乱れるほうが懸念される。

それに今はこの中隊で充分動きやすいのであれば、あえてすぐ合流することはないと判断するしかない。


「俺たちは俺たち、って事ですね」
アランはニヤリと笑ってうなずいた。


彼の言葉にふと、オスカルは自分の中で一つの答えが見つかったような気がした。

野望や画策する者にはなびかず、名も無き人々の盾となることを望んでいる自分と同じ考えをアランの中に見いだしたのだ。





2007/1/8/






up2007/1/30/up


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